In vitro growth of mouse oocytes in a polyvinylpyrrolidone supplemented medium: effect on the zona pellucia

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  • ポリビニルピロリドン添加培養液で発育させたマウス卵母細胞:薄い透明帯

Description

【目的】ポリビニルピロリドン(PVP)添加培養液でマウス前胞状卵胞を培養すると,無添加の場合とは異なる組織形態となる。本研究では,体外発育マウス卵母細胞の成熟能力と透明帯に及ぼすPVPの影響を調べた。【方法】生後11~12日齢のマウス(ICR)卵巣から前胞状卵胞を注射針で分離し,コラゲナーゼ処理(0.1%,10分間)を施した後,細胞培養インサート一枚に約20個をのせて培養した。培養液には,5%ウシ胎児血清,1 ng/ml FSH等を含む修正α-MEMを用い,さらに平均分子量36万のPVPを0,1,2または3%の濃度(w/v)で添加した。培養開始日をDay 0とし,Day 2まで一律にPVP0%で培養して基質への接着を促した後,各PVP濃度に調整した。裸化や退行が認められない卵母細胞を生存とし,Day 10の生存卵母細胞を体外成熟に供した。また,卵母細胞の画像を使って透明帯の厚さを計測した。【結果】PVP0%区では多くの複合体がドーム状に発育したが,PVP2%および3%区ではドームは形成されず,卵母細胞・卵丘細胞部分が培養液に露出する形態となった。Day 10におけるPVP3%区の生存率は94%であり,PVP0%および1%区のそれぞれ82%および80%よりも有意に高い値となった。成熟誘起後の第一極体放出率はPVP0%,1%,2%,3%区でそれぞれ81%,88%,87%,78%であり,有意な差は認められなかった。体外受精を行った場合の胚発生率についても有意な差は認められなかった。一方,卵母細胞の透明帯の厚さは,PVP0%,1%,2%,3%区でそれぞれ平均7.7 μm,6.4 μm,6.0 μm,5.4 μmであり, PVP添加によって有意に小さな値となった。しかし,薄い透明帯であっても多精子侵入の頻度の上昇は認められなかった。透明帯に差異が現れた原因は不明であり,本培養法で得られる卵母細胞の質について,様々なパラメータに基く検討が必要であることが示唆された。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680692660224
  • NII Article ID
    130007024319
  • DOI
    10.14882/jrds.104.0.1059.0
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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