Role of brain ketone body sensing in inducing diabetic hyperphagia
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- Iwata Kinuyo
- Graduate School of Bioagricultural Sciences, Nagoya University
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- Kinoshita Mika
- Graduate School of Bioagricultural Sciences, Nagoya University
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- Sato Hiroaki
- Graduate School of Bioagricultural Sciences, Nagoya University
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- Tsukamura Hiroko
- Graduate School of Bioagricultural Sciences, Nagoya University
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- Maeda Kei-ichiro
- Graduate School of Bioagricultural Sciences, Nagoya University
Bibliographic Information
- Other Title
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- 糖尿病による過食における脳内ケトン体センシングの役割
Abstract
われわれはケトン体の第4脳室(4V)内投与により,黄体形成ホルモンのパルス状分泌が抑制され,摂食が誘起されることを明らかにした。このことから,ケトン体が負のエネルギーシグナルとして,他のエネルギー基質とともに4Vを裏打ちしている上衣細胞に感知されているのではないかと考えている。実際,in vitro で4V周囲の上衣細胞においてケトン体である3-hydroxybutylateによる細胞内カルシウム濃度([Ca2+ ]i)の上昇がみられるとともに,免疫組織化学的によりケトン体の輸送体であるmonocarboxylate transporter (MCT1) が存在していることも明らかにしている。 糖尿病のラットでは血中のケトン体濃度が上昇し,過度の摂食行動が観察されることから,本研究では,ケトーシスのモデルとしてstreptozotocin(STZ)投与による糖尿病ラットを用いた。ケトン体が後脳上衣細胞により感知され摂食が誘起されていることを確かめるため,ケトン体の輸送担体であるMCT1の阻害剤を第4脳室内に投与した。Wistar-Imamichi系雄ラットの第4脳室に薬物投与用カニューレを留置した後,STZ (i.v. 100 mg/kg)を投与した。STZ投与群では血糖値が300mg/dl以上を示した。第4脳室にMCT1阻害剤であるp-chloromercuri benzese sulphonic acid (pCMBS)またはUPWを投与し,摂食量を測定した。その結果,STZ群においてpCMBS投与により濃度依存的に対照群のレベルまで摂食量が減少した。このことからSTZ投与による糖尿病ラットにおける摂食量の増加には,血中に増加するケトン体が強く関与していることが示された。すなわち,第4脳室周囲の上衣細胞は,糖尿病において血中に増加したケトン体濃度を感知し,摂食を制御していると考えられた。
Journal
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- The Journal of Reproduction and Development Supplement
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The Journal of Reproduction and Development Supplement 99 (0), 9-9, 2006
The Society for Reproduction and Development
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680692813952
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- NII Article ID
- 130007024533
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed