ウシ着床期胚におけるインターフェロン・タウ(IFNT)paraloguesの発現と機能解析

書誌事項

タイトル別名
  • Expression and functional analysis of IFNT paralogues found in the bovine trophoblasts.

説明

【目的】反芻動物に特有の妊娠認識物質であるIFNTは、トロホブラスト細胞において産生・分泌され、ハッチング後から着床時までという時期特異的な発現様式を持つ。IFNTは、Type 1 のIFNに属し、約3600万年前にインターフェロン・オメガ (IFNW)から分岐したと推定される。ウシIFNTには、IFNWを含めると23種ものparaloguesが存在し、いずれもChr. 8: 23,613421-24,708,702の間に存在しているが、なぜこんなにも多くのparaloguesが存在しているのかは不明である。IFNTの発現制御機構の解明および機能解析を行うために、数多くあるparaloguesのうちどのparalogueが発現・機能しているかを検討することは重要である。IFNT paraloguesの内、実際に着床期の胚においてmRNAとして発現するparaloguesを見い出し、それらの子宮内膜細胞に対する作用を検討する。 【方法】次世代シーケンサーSOLiDを用い、ウシ着床期胚において発現しているIFNT paralogues を同定した。その結果、IFNT1とIFNTc1の2種のみが発現していた。そこで、IFNT1とIFNTc1の発現コンストラクトを作製し、His標識リコンビナントタンパクを精製した。そして、精製したrIFNTs-Hisタンパクを培養ウシ子宮細胞に処置し、IFNTで誘導される遺伝子群の発現をPCRにて確認した。さらに、IFNT1とIFNTc1のドメイン解析を行い、IFNTc1にのみカゼインキナーゼ (CK) 2リン酸化サイトが存在していた。そこで、CK 2リン酸化サイトをIFNT1の同位置に置換した改変IFNT1 (IFNT1mt)のタンパクを精製し、同様にウシ子宮細胞に処置して遺伝子群の発現を確認した。 【結果】ウシ子宮細胞へのrIFNTs-His処置による遺伝子発現解析から、Mx2の発現がIFNTc1特異的に誘導されることを確認した。さらに、CK2リン酸化サイトを置換したIFNT1mtのタンパク処置によってもMx2の発現誘導が確認された。今後CK 2リン酸化サイトの有無によるIFNTの子宮に対する作用の相違を精査していかなければならない。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680693099520
  • NII論文ID
    130007024943
  • DOI
    10.14882/jrds.104.0.226.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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