電気刺激射精器を用いて採精したアカキツネ(Vulpes vulpes)の凍結保存法と人工授精後の分娩率について
書誌事項
- タイトル別名
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- Red Fox spermatozoa cryopreservation method collected using electroejaculator and their calving rate after artificial insemination
抄録
【目的】蔵王キツネ村で飼育しているキツネには個体管理をするために、2011年から約200頭の全頭にマイクロチップを装着している。このキツネ群を安定的に維持するには、個体情報や血縁情報に基づく計画的な交配が必要である。我々は、これまでに電気伝導度の変化を指標とした雌キツネの交配適期の判定法(第104回日本繁殖生物学会)や電気刺激射精器を用いた雄キツネからの採精条件(第18回日本野生動物医学会大会)について明らかにしてきた。今回は、この方法を用いて採精した後の精液性状と凍結保存法、凍結精液を用いた人工受精後の分娩率について検討した。【方法】2012年1月~3月にかけて電気刺激射精器を用いて、延べ18頭から採精した。この内、生存精子が得られた延べ13頭について、EDTAをベースとした凍結保存試作液(EDTA-S)とウシ用凍結保存液(Cow-S)を用いて、精子数5×107/0.5mlストローに調整し、凍結保存した。Cow-Sで凍結融解した精液を10頭に人工授精、その後の分娩率について調べた。【結果及び考察】延べ13頭の精液量は100μl~500μlで、その平均は280.0±117.9μlであった。平均精子数7.8±1.8×108/ml, 総精子数は平均2.1±0.7×108であった。精子生存指数は43.8~95.8、平均83.6±16.6であった。凍結融解後の精子生存指数はEDTA-Sで2.1±2.5、Cow-Sで41.9±9.3であり、Cow-Sで有意(P<0.01)に高かった。Cow-Sで凍結・融解後の精液を10頭に人工授精した。分娩率は5/10頭(50%)で、その平均産子数は3.6±0.5頭、妊娠期間は53.4±0.5日であった。以上の結果、Cow-S凍結保存液を用いることは、凍結融解後の精液性状が比較的良好で、人工授精によって産子を得ることも可能であった。これらの結果から、ウシ用凍結精液保存液はキツネ精子の凍結保存にも有効であり、計画的な交配も可能となることが示唆された。
収録刊行物
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- 日本繁殖生物学会 講演要旨集
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日本繁殖生物学会 講演要旨集 105 (0), 226-, 2012
公益社団法人 日本繁殖生物学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680693389312
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- NII論文ID
- 130005457759
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可