カルサイトへのヒ酸の選択的取り込み
抄録
ヒ素汚染地下水の汚染機構を解明する上で、地下水中のヒ素濃度を規定するようなヒ素-鉱物反応を理解することは非常に重要である。本研究ではヒ素-カルサイト反応に着目し、固液両相での価数決定を含めた詳細な分析から、価数の違いがカルサイト(CaCO3)とヒ素の共沈反応に与える影響について調べた。二種類のヒ素-カルサイト共沈実験を行い、カルサイトへのヒ素の共沈挙動におけるpHと価数依存性を観察、また価数別の分配係数を決定した。<BR>地下水環境である中性pH条件では、AsV(ヒ酸)のカルサイトへの分配はAsIII(亜ヒ酸)のおよそ270倍であることが明らかになった。このように、カルサイトによるAsVの優先的な取り込みが、カルサイトへのヒ素の共沈挙動を支配することが示されたが、ヒ素がほとんどAsIIIとして存在する還元的な地下水では、これらの反応の影響は小さいことが推測される。
収録刊行物
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- 日本地球化学会年会要旨集
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日本地球化学会年会要旨集 56 (0), 102-102, 2009
一般社団法人日本地球化学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680709427712
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- NII論文ID
- 130005053763
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可