アミノ酸重合反応における解離状態の効果

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抄録

生命起源においてアミノ酸重合反応は重要なプロセスである.アミノ酸の重合速度にはpHが影響することが知られているが,定量的な解析はされていない.そこで本研究では,グリシン(Gly)を用いて速度論的パラメーターを求めた.NaOH,HClでpHを4から12に調整したGly水溶液の加熱実験を行い,液体クロマトグラフィーで生成物を分析した.反応経路はGlyからGlyGlyが生成し,さらにDKPが生成すると推定し,反応速度定数を求めた.重合速度はpHに大きく依存し,pH 9から10で極大値を示した.Glyの各解離状態での重合速度を求めると,両性イオンと陰イオンの重合が最も速いことが分かった.よって,両性イオンと陰イオンが約半数ずつ存在する状態(pH 9.8)で,全体の重合速度が最も速くなると推測される.解離状態による反応性の違いは,アミノ基の求核性,分子間及び分子内の電気的相互作用に起因すると考えられる.

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  • CRID
    1390282680709885696
  • NII論文ID
    130005053810
  • DOI
    10.14862/geochemproc.56.0.145.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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