水月湖堆積物が記録するアジアダスト輸送の十年スケール変動

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タイトル別名
  • Decadal variations of the Asian dust transport recorded in Lake Suigetsu sediments

抄録

アジアダスト輸送の長期変動とその変動要因を解明するため、福井県・水月湖で採取された年縞を持つ堆積物を用いて、過去100年あまりのダスト沈積フラックスの復元を行った。水月湖の堆積物中には、ダスト以外にローカルな砕屑物の寄与が予測されるため、本研究では砕屑物の粒度分析およびXRDを用いた長石のタイプの測定を行い、砕屑物に占めるダストの割合の計算を行った。ダストの割合と砕屑物フラックスから求められたダスト沈積フラックスは、1926-1951, 1975-2004年に増加し、数十年スケール変動が卓越することが分かった。ダスト沈積フラックスが多い年と少ない年の違いについて、500hPaの気圧や水平風のコンポジット解析を行った結果、フラックスの増加年には、アリューシャン低気圧が強化する傾向と、偏西風が低緯度側で強化する傾向が見られ、数十年スケールで変動するアリューシャン低気圧に伴う偏西風の変動がアジアダストの輸送経路を変化させている可能性が示された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680713303168
  • NII論文ID
    130005492388
  • DOI
    10.14862/geochemproc.62.0_67
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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