皮下膿瘍を伴った壊疽性膿皮症

  • 堀 延未
    筑波大学大学院人間総合科学研究科病態制御医学専攻皮膚病態医学分野
  • 古田 淳一
    筑波大学大学院人間総合科学研究科病態制御医学専攻皮膚病態医学分野
  • 丸山 浩
    筑波大学大学院人間総合科学研究科病態制御医学専攻皮膚病態医学分野
  • 伊藤 周作
    筑波大学大学院人間総合科学研究科病態制御医学専攻皮膚病態医学分野
  • 石井 良征
    筑波大学大学院人間総合科学研究科病態制御医学専攻皮膚病態医学分野
  • 高橋 毅法
    筑波大学大学院人間総合科学研究科病態制御医学専攻皮膚病態医学分野
  • 大塚 藤男
    筑波大学大学院人間総合科学研究科病態制御医学専攻皮膚病態医学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Pyoderma Gangrenosum with Subcutaneous Abscesses
  • ヒカ ノウヨウ オ トモナッタ エソセイ ノウ ヒショウ

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抄録

22歳,男性.18歳より潰瘍性大腸炎.初診2カ月前に再燃のため顆粒球除去療法とプレドニゾロン30 mg/日投与を開始されていた.初診1カ月前に右足拇趾の発赤,腫脹,疼痛が出現した.蜂窩織炎の診断でプレドニゾロン20 mg/日に減量され,抗生物質投与とデブリドマンを受けるも改善せず,初診2週間前には潰瘍化し黄苔と膿汁を伴った.同時期より両下腿と前胸部に発赤と圧痛を伴う皮下膿瘍が出現した.頻回の細菌培養検査は陰性だった.下肢CTでは液体成分が筋膜上にレンズ状に貯留する所見を得た.経過や皮疹の分布も考え合わせ壊疽性膿皮症と診断した.プレドニゾロン60 mg/日に増量したところ皮膚潰瘍は縮小に向かい,皮下膿瘍も消退した.発赤圧痛を伴う皮下膿瘍で初発する壊疽性膿皮症の報告は少なく,蜂窩織炎や壊死性筋膜炎との鑑別が問題であるが,臨床症状や経過,細菌培養,画像所見より早期に診断することが重要である.

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