肛門の潜在性腺癌由来の続発性肛囲Paget病の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Secondary Perianal Paget's Disease with Occult Anal Adenocarcinoma
  • コウモン ノ センザイセイセンガン ユライ ノ ゾクハツセイコウイPagetビョウ ノ 1レイ

この論文をさがす

抄録

76歳女性.初診2カ月前に肛囲の皮疹に気づいた.肛囲全周性の境界明瞭な紅色扁平隆起性局面で,表面は乳頭腫状を呈していた.生検にて表皮内にPaget細胞の増殖がみられ,免疫染色ではCK20,CEA,villinは陽性,CK7,GCDFP15は陰性を示した.肛門鏡および下部消化管内視鏡では肉眼的に腫瘍性病変はみられず,触知する腫瘤形成もなかったが,皮疹の特徴と病理組織像から続発性Paget病と考え,肛門管癌の潜在的存在を予想して,腹腔鏡下直腸肛門切断術を行った.全摘出した病理組織標本では,歯状線から肛門上皮および肛囲皮膚の表皮内に全周性に印環細胞様のいわゆるPaget細胞が増殖し,歯状線の粘膜下層から筋直上にかけては異型細胞を有する管腔構造があり,肛門管癌の存在が確認できた.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ