書誌事項
- タイトル別名
-
- [Heterogeneity of restriction enzyme cleavage pattern of molluscum contagiosum virus DNA].
抄録
腎移植後の免疫抑制患者に生じた特異な伝染性軟属腫(MC)の1例及び小児の通常のMC7例の皮疹より,全DNAを抽出し制限酵素BamHIで切断後,アガロースゲル電気泳動を行った.その結果,全例でMCウイルス(MCV)DNAの切断片が観察され,少なくとも3種類の異なる切断パターンに分けられることが判明し,仮にMCV-a,-b及-cと命名した.小児では全例MCV-aまたはMCV-bが検出された.切断パターンからMCV-aと-bは高い相同性を有することが示唆され,その関与しているMCの臨床像にも違いは認められなかった.一方,免疫抑制患者ではMCV-cの感染がみられたが,MCV-cのパターンはMCV-a及び-bとは全く異なっていた.MCVの多型性が明らかとなり,MCVの違いにより臨床像も若干の相違を示すことが示唆された.
収録刊行物
-
- 日本皮膚科学会雑誌
-
日本皮膚科学会雑誌 100 (11), 1203-, 1990
公益社団法人 日本皮膚科学会