Sunburn cellの定量的解析による紫外線吸収剤の評価

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  • [Evaluation of sunscreens by quantitative analyses of sunburn cell formation].

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抄録

モノクロメーターを用いて種々の波長および量の単色光を照射された白色モルモットの背部皮膚の表皮における単位長当たりのSunburn cell(SBC)数をパラメーターとして,紫外線(UV)吸収剤塗布部および非塗布部での値を比較,統計的に解析し,UV吸収剤のUV吸収能を検討した.UV吸収剤として,PABAおよびParsol A(4-tertial,buty1-4-methoxydibenzoylmethane)を用いた.PABAを用いた実験では,250~310nmの間の単色光単独照射後および8-MOP+325nm単色光照射後におけるPABA塗布部におけるSBC数は対照値より有意に減少し,従ってPABAの吸収スペクトルは250~325nmであることが示された.さらに,各波長におけるSBC数の対数の照射量の対数への回帰直線を求め,回帰直線における最小照射量から最大照射量までの定積分値を算定したのち,各波長でのPABA塗布群と対照群との定積分値の比を求めることにより,PABAの最大吸収波長は280nmであることを示した.Parsol Aを用いた実験では,8-MOP塗布・325~370nm域の単色光照射後におけるParsol A塗布部におけるSBC数は対照値より有意に減少し,従ってParsol Aの吸収スペクトルは325~370nmであることが示された.また,PABAの場合と同様の解析方法により,Parsol Aの最大吸収波長は370nmであることが示された.この実験で得られたPABAの吸収スペクトルの値および最大吸収波長の値はいずれも従来報告されている確定値に一致したことから,この実験で用いられた解析方法は,UV-B吸収能を有するUV吸収剤だけでなくUV-A吸収能を有するUV吸収剤についても,その評価に利用でき,またその信頼性は高いと考えられた.

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