下肢蜂窩織炎のリスクファクター:教室入院例のprospectiveな検討

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タイトル別名
  • Risk Factors for Cellulitis Arising on the Lower Extremities: A Prospective Study of Hospitalized Patients
  • カシ ホウカシキエン ノ リスク ファクター キョウシツ ニュウインレイ ノ prospective ナ ケントウ

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抄録

2008年4月から2009年1月までに当科で入院加療した下肢蜂窩織炎症例26例について,リスクファクターを明らかにするためにprospectiveな検討を試みた.平均年齢は52.0歳,男女比は16:10で,肥満(男性50.0%,女性80.0%),足白癬(80.8%)が高率にみられ,重要なリスクファクターであることが示唆された.また患肢では,健側下肢と比較して骨折,捻挫などの整形外科的な外傷歴(57.7%)や蜂窩織炎の既往(38.5%)が高率に認められた.特に整形外科的外傷歴は平均で約30年前とかなり以前のことが多く,従来は見過ごされてきたものと思われた.原因菌に関しては,入院中から退院後にかけて継続して検査することによりASO,ASKの有意な変動を認めた例が多く,溶連菌が原因と推定される症例の割合が全体の53.8%と予想以上に高かった.血清学的所見に基づいて溶連菌性,非溶連菌性の2群に分けて検討したところ,溶連菌性では,女性,蜂窩織炎病変上の紫斑,有痛性の所属リンパ節腫脹,患肢の蜂窩織炎の既往の4つの項目が優位となった.特に女性患者では溶連菌性が多く,再発のリスクが高いことを念頭におく必要がある.

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参考文献 (16)*注記

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