アトピー性皮膚炎患者指導に関する医師および患者を対象としたアンケート調査:両者間でみられた認識の相違

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タイトル別名
  • Questionnaire-based Study of the Doctor’s Guidance for Patients with Atopic Dermatitis
  • アトピーセイ ヒフエン カンジャ シドウ ニ カンスル イシ オヨビ カンジャ オ タイショウ ト シタ アンケート チョウサ : リョウシャ カン デ ミラレタ ニンシキ ノ ソウイ

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抄録

アトピー性皮膚炎は慢性・反復性経過をとる疾患であるために継続した治療が必要となり,併せて患者の生活指導が重要である.我々は,アトピー性皮膚炎の指導に関するアンケート調査を医師に対して行い,その結果を報告したが,同様のアンケート調査を患者(435名)に行い,患者回答項目間および患者回答と医師回答との比較をクロス集計で解析した.最も高頻度に指導している(医師側)/受けている(患者側)項目は「ステロイド外用薬の塗り方の指導」,「保湿外用薬の塗り方の指導」であり,医者側と患者側で同様な割合であった.患者側で割合が高く,医師側で低かった項目は「病気について正しい知識を教えてもらった」であり,患者の印象に残り易い指導であることが伺えた.逆に医師で割合が高く患者側で割合が低い項目は「不適切な治療を避けるよう説明」,「ステロイドに対する不安を解消する説明」であり,これらの項目は患者側に浸透しにくい指導であると思われた.また,患者回答中のクロス集計では「アトピー性皮膚炎の診療ガイドラインを知っている」と回答した患者の多くが,「既に様々な指導を受けている」と答えており,治療や指導に対して意識の高い患者群があると考えられた.今回の調査から医師と患者とのコミュニケーションギャップを生じやすい項目が明らかとなったため,診療の参考となればと考え報告する.

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