チアマゾール内服中の母親より出生した先天性皮膚欠損症の男児2例

書誌事項

タイトル別名
  • Two Cases of Aplasia Cutis Congenita Due to Thiamazole Exposure <i>in Utero</i>
  • チアマゾール ナイフク チュウ ノ ハハオヤ ヨリ シュッショウ シタ センテンセイ ヒフ ケッソンショウ ノ ダンジ 2レイ

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抄録

症例1:生後4日,男児.在胎39週,正常分娩で生まれた.生下時,頭頂正中部に潰瘍を認めたが,翌日には血痂を付着した.その他の外表奇形の合併は認めなかった.分娩時の鉗子等の外傷を否定し,先天性皮膚欠損症と診断した.母親は甲状腺機能亢進症に対して妊娠の2年前から妊娠24週まではチアマゾールを,それ以降はプロピルチオウラシルを内服中であった.潰瘍は無治療で上皮化し,1カ月後には紅色の瘢痕となった.症例2:生後2日,男児.在胎38週,正常分娩で生まれた.生下時,頭頂正中部に潰瘍と脱毛斑,耳瘻孔,頸部に丘疹を認めた.分娩時に鉗子は使用しておらず,先天性皮膚欠損症と診断した.母親は甲状腺機能亢進症に対して6年前から妊娠中も休薬することなくチアマゾールを内服していた.頭部の潰瘍は無治療で,1カ月後には上皮化し瘢痕となった.耳瘻孔と頸部の丘疹は残存した.自験例と同様,チアマゾールによると思われる先天性皮膚欠損症の報告が散見される.妊娠中の甲状腺機能亢進症の治療には,プロピルチオウラシルが望ましい.

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参考文献 (15)*注記

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