皮膚と含硫アミノ酸に関する研究

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  • ヒフ ト ガンリュウアミノサン ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

皮膚とアミノ酸,特に含流アミノ酸との間に密接な関連のあることはKeratinizationに於けるCystine,Methionine形成に於けるTyrosin等の事例を挙げる迄もなく,広く知られている処であり,又他方色々の含硫アミノ酸製剤が湿疹その他の所謂アレルギー性皮膚疾患に対し,臨休的治効を現すことに就いても既に幾多の報告がみられている.処が,皮膚の角化乃至色素形成に於ける含硫アミノ酸の問題は暫らくおき,所謂アレルーギ性皮膚疾患に対する合硫アミノ酸の治効に就ては,その殆ど総てか単なる臨林的治療報告に止つて居り,その作用機序に至つては僅かに市川,新妻等のArthus現象,Shwartzman反応を標とした業績が見出し得られるに過ぎない.そこで余は今回,斯様な作用機序を出来得る丈明らかにし,以て臨林的応用への基礎たらしめんと企図し,代表的含硫アミノ酸であるMethionine,Cystine,Cysteine,Taurinの四者を選んで,人体及び動物につき皮膚を中心に色々の方面から系統的に検討を進めてみた.之等含硫アミノ酸の皮膚内及び血清内遊離アミノ酸に及ぼす影響,諸々の皮膚機能,皮膚反応,皮膚毛細血管Arthus現象に及ぼす影響,更に下垂体乃至副腎との関連等がその主なる研究対象であるが,之によつて聊か新しい知見を加え得たので,以下順を追い之等の成績を記述すると共に少しく卑見を加えてみたいと思う.

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