右足に限局して多発したLymphocytoma(plasma cell type)の1例―限局型皮膚形質細胞増多症との異同についての考察を含めて―
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説明
15歳女子.12歳頃より,右足底から内側縁にかけて,半米粒大までの淡紅色,表面光沢ある丘疹が多発,漸増.自覚症状はない.組織では,真皮上層に,一部で小円形細胞を混じた形質細胞の増殖を見るが,濾胞様構造は認めず.増殖した形質細胞巣には酵素抗体法で,IgG,IgM,IgA,χ鎖,λ鎖陽性細胞が混在して認められ,多クローン性の増殖であった.基礎疾患がなく,また腫瘍性の増殖とは異なる形質細胞増殖を示す例は,皮膚形質細胞増多症という概念のもとに報告されている.過去の報告は,大部分が全身皮膚に多発する汎発型であるが,前額に単発した限局型の報告が1例あり,自験例もこれに類する症例と思われる.しかしながら,形質細胞増多症の限局型はLymphocytomaのplasma cell typeにほかならないと考えられ,限局型をおいた新田らの分類は用いず,特異な臨床像を示したplasma cell typeのLymphocytomaとして報告した.
収録刊行物
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- 日本皮膚科学会雑誌
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日本皮膚科学会雑誌 104 (8), 989-, 1994
公益社団法人 日本皮膚科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680715254528
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- NII論文ID
- 130004680817
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- ISSN
- 13468146
- 0021499X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可