当科で過去2年間に経験した全身性強皮症の皮膚硬化に対する治療成績

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of Low- or Moderate-dose Oral Prednisolone with or without d-Penicillamine on Skin Sclerosis of Systemic Sclerosis
  • トウ カ デ カコ 2ネンカン ニ ケイケン シタ ゼンシンセイ キョウ ヒショウ ノ ヒフ コウカ ニ タイスル チリョウ セイセキ

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説明

皮膚硬化が進行中であるdiffuse cutaneous systemic sclerosis(dSSc)の7例(1例を除いて罹病期間が2年以内の早期例)に初期量20~30mg/日の経口ステロイドを投与し,そのうちの皮膚効果が高度な4例ではd―ペニシラミン200~300mg/日を併用した.発症より早期で,浮腫性硬化が主体のlimited cutaneous SSc 3例に対しても,同様に傾向ステロイドを投与した.4~20週後には全例で皮膚硬化は著明に改善し,ステロイドを5~10mg/日の維持量へ減量後も再燃は認められなかった.また,罹病期間が長く皮膚硬化は平衡状態であった2例でも,間質性肺炎あるいは単神経炎に対し経口ステロイドが投与され,皮膚硬化が改善した.さらに,中毒性表皮壊死融解症に対してステロイドパルス療法を1クール施行した1例でも,皮膚硬化は著明に改善した.ステロイドの副作用ではステロイド糖尿病と大腿骨頭壊死が各1例に,d-ペニシラミンでは中毒性表皮壊死融解症が1例に認められた.dSScの皮膚硬化に対して,特に早期例に対しては,少量あるいは中等量の経口ステロイドが有用であると考えられた.

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