エクリン汗腺のリポフスチン―組織学的検討―
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説明
全身性エリテマトーデス,黄色肉芽腫および皮膚線維腫などの54症例の生検組織または切除標本計62個の組織内の汗腺分泌部および導管部(汗腺および汗管)に存在するリポフスチン(老人色素)について病理組織学的に検討した.汗腺においてセロイド,抗酸性リポフスチンおよびリポフスチン(狭義)が観察された.セロイドは酸性脂質と塩基性蛋白質の複合体,リポフスチン(狭義)は好中性脂質と酸性蛋白質の複合体からなり立つ.抗酸性リポフスチンは両者の中間的な性状を示した.セロイドは主に導管内で,抗酸性リポフスチンおよび狭義のリポフスチンは腺細胞内で明瞭に観察された.セロイドは鉄親和性を示した.このことは過酸化脂質の存在を意味し,またフリーラジカルの発生を予測する材料となろう.
収録刊行物
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- 日本皮膚科学会雑誌
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日本皮膚科学会雑誌 102 (10), 1263-, 1992
公益社団法人 日本皮膚科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680715521664
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- NII論文ID
- 130004680545
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- COI
- 1:CAS:528:DyaK3sXlslChsg%3D%3D
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- ISSN
- 13468146
- 0021499X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可