実験的家兎黄色腫の電子顕微鏡的研究

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  • ジッケンテキ カト キイロ シュ ノ デンシ ケンビキョウテキ ケンキュウ

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抄録

家兎をコレステロール食で飼養し,皮膚を主に,その他肝および末梢血を電子顕微鏡で観察した.皮膚の泡沫細胞では胞飲小胞と被覆小胞が互いに融合したり,あるいは大きな空胞に融合していた.この未熟な空胞にはジギトニン反応により遊離のコレステロールの存在が認められたが,完成したlucent vacuole内やコレステロール針状結晶内には遊離のコレステロールは認められなかった.また空胞にはライソゾームが関与していた.泡沫細胞内,結合織間,血管周囲,血管壁に1,000~2,800A大の脂質滴を認めた.肝Kupffer細胞にコレステロール投与後に多数の胞飲小胞,被覆小胞を認め,またライソゾーム内に空胞やコレステロール結晶を認めた.末梢血のリンパ球に円柱状結晶を認めた.黄色腫の泡沫細胞はカイロミクロンあるいはリポ蛋白を胞飲運動で細胞内にとりこみ,ライソゾームで処理するものと考えられる.また泡沫細胞内でコレステロールのエステル化がおこなわれていると考えられる.

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