Leprechaunismにともなう黒色表皮腫の1例

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Leprechaunismに伴う黒色表皮腫の1例を報告した.症例は,6ヵ月の女児,生後4ヵ月頃から,耳介後部,後頸部,腋窩,鼡径部の黒色表皮腫がみられた.著しい子宮内発育不全を伴った低出生体重があり,低位で大きな耳介,鞍鼻,横に張った鼻翼,厚い唇の特異な顔貌を呈し,多毛,皮下脂肪減少,血糖値の異常変動血中インスリンの異常高値があった.インスリン受容体の遺伝子解析でα-subunitをコードする遺伝子の異常が明らかにされた.リコンビナントヒトinsulin-like growth factor Ⅰ(IGF-I,somatomedin C)の皮下投与で,ブドウ糖負荷後の異常高血糖は改善され,血中インスリン濃度は低下した.しかし黒色表皮腫の病変に目立った変化はなかった.leprechaunismは,インスリン受容体異常によるインスリン抵抗性を示すまれな先天性代謝異常疾患であり,本邦皮膚科領域での報告は少ない.本症例は,高インスリン血症とIGF-Iおよび黒色表皮腫との関連を考える上で興味深い.

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