皮膚における解糖とTCAサイクル代謝との關連性について

書誌事項

タイトル別名
  • 皮膚における解糖とTCAサイクル代謝との関連性について
  • ヒフ ニ オケル カイトウ ト TCA サイクル タイシャ ト ノ カンレンセイ ニ ツイテ
公開日
1958
DOI
  • 10.14924/dermatol.68.329
公開者
公益社団法人 日本皮膚科学会

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説明

1937年Krebsが鳩の胸筋に於ける炭水化物の研究に於て,糖酸化の中間代謝経路としてクエン酸回路説を提唱した.その後多数の学者のたゆまざる研究の結果,漸次本回路の詳細な経路が明らかにされ,この回路は糖質のみならず,脂質,蛋白質の共通代謝経路として,又エネルギー供給源として,生体内代謝に極めて重要な地位を占めていることが明らかにされた.今日ではKrebsのクエン酸回路を3カルボン酸輪廻(Tricarboxylic Acid Cycle,略してTCA Cycle)と呼んでいる.現今各種臓器に於けるTCAサイクルに関する研究は多数なされているが,その多くは肝,腎,心,脳,内分泌腺の如く非常に代謝の旺盛な,且つミトコンドリアを比較的容易に,純粋に分離し得る臓器が研究対象となつているようである.一方皮膚科領域に於ては,TCAサイクルに関する研究は非常に少なく,僅かにBarron et al.,Griesemer等の最近の報告があるに過ぎない.彼等は皮膚に於てTCAサイクルは存在しないか,或は存在しても僅少であると述べている.今回著者も皮膚に於けるTCAサイクルの意義につき何等かの知見を得んものと思い,健常家兎,各種皮膚炎およびアルツス現象惹起家兎について,皮膚のホモジェネイト中に於けるTCAサイクル中間代謝物の測定,更にワールブルグ検圧系を用いて,各TCAサイクル中間代謝物の添加が,皮膚並びに肝臓の酸素消費量に及ぼす影響を考究し,又健常ラッテを用いてアコニターゼを障害することによつてクエン酸の蓄積を来すと云われているモノフルオロアセタート投与による皮膚,肝臓,腎臓への影響に就き研究を行い,2,3の知見を得たので此処に報告する.

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