VII型コラーゲン遺伝子のグリシンからバリンへのミスセンス変異が証明された前脛骨型表皮水疱症の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Glycine-to-valine Missense Mutation in the Collagen VII Gene of a Patient with Pretibial Dystrophic Epidermolysis Bullosa
  • Ⅶ カタ コラーゲン イデンシ ノ グリシン カラ バリン エ ノ ミスセンス ヘンイ ガ ショウメイ サレタ ゼンケイコツガタ ヒョウヒ スイホウショウ ノ 1レイ

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説明

患者は39歳,女性.生後1カ月より爪の変形あり.5歳頃から膝周囲に水疱が繰り返し出現し,萎縮性瘢痕を形成.約10年前より両足関節周囲にも認められ,搔痒を伴う萎縮性紅斑および丘疹が主体となってきた.皮膚の電顕所見で,アンカリングフィブリルの減少,細小化があり,血液の分子生物学的検索では,VII型コラーゲン遺伝子の5318番目のグアニンがチミンに変異(5318G to T)すなわち1773番目のグリシンがバリンに置換するミスセンス変異(G1773V)を示した.父は小児期に膝周囲に水疱を認め,今でも趾爪の変形がある.以上より自験例を先天性表皮水疱症栄養障害型のバリアントである前脛骨型と診断した.このミスセンス変異が本型で証明されたのは初めてである.過去の本邦報告例を集計し,若干の考察を加えた.前脛骨型は臨床所見が他の水疱症に比べ軽微であり,見逃されがちである.分子生物学的検索は,この点を改善する重要な検査である.

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参考文献 (16)*注記

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