DNCB感作モルモットの皮膚反応並びにリンパ節細胞のin vitro DNA 合成に及ぼすcyclophosphamide処理の効果

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  • DNCB カンサ モルモット ノ ヒフ ハンノウ ナラビニ リンパセツ サイボ

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抄録

DNCB 感作モルモットの皮膚反応並びにその所属リンパ節細胞の in vitro DNA 合成(endogenous proliferation),phytohemagglutinin (PHA) response, concanavalinA(ConA)resiponse に及ぼす cyclophospharaide(CY) の効果を,感作後経時的に観察した. 1)DNCB 接触過敏症は,感作3日前に CY 処理した場合,無処理群に比し著明に増強したが,感作3日後に CY 処理した場合,無反応となった. 2) DNCB 接触過敏症は,感作5日後に出現し,1週後に peak に達し,2週後にかけて比較的早く減弱し,以後徐々に消槌した.感作3日前の CY 処理により,反応は感作5日後に早くも増強し,I週後に同様に peak となり,以後3週までその著明な増強効果が維持され,4週後に急速に低下した. 3)皮膚反応でみられたCY処理による増強効果は,in vitro において乱 所属リンパ節細胞のendogenousproliferationの上昇として観察された.この上昇は,皮膚反応か未だみられない感作3日後に早くも出現し,1週後に最大となったが,2週後には,皮膚反応の場合と異なり,急速に低下した.従って,CY に感受性の強い細胞 (suppressor細胞?)は,所属リンパ節における priming に対応した DNA 合成の制禦に関与していることが推察された. 4) High dose (250μg/ml) の PHA ないしConA で剌激した時,感作3日後の所属リンパ節細胞は, PHA に著明に反応したが, ConA に全く反応しなかった.しかし,1,2週後には,3日後に比し, PHA response は低下し, ConA response は上昇した.CY 処理群においても同様の変化を示したが,感作1,2週後において両反応とも無処理群に比し低下していた.以上の所見より,所属リンパ節における T cell response の修飾に関与する細胞の経時的変動の可能性について若干の考察を加えた.

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