陥入爪の成因の検討ならびに陥入爪に対するVHO法の効果について

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  • Ingrown Toenail and VHO Regimen
  • カンニュウツメ ノ セイイン ノ ケントウ ナラビニ カンニュウツメ ニ タイスル VHOホウ ノ コウカ ニ ツイテ

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抄録

1)陥入爪の成因についての検討 陥入爪は,側爪郭の組織を接地面より押し上げ,爪甲が側爪郭の組織に陥入することにより発生する.特に第1趾に好発する陥入爪は,第1趾への圧負荷の増大が大きな発症因子である.第1趾の圧負荷増大は,足の機能異常と足の変形,疾患に依る.陥入爪患者にみられた足の機能異常は,足関節と第1中足趾節関節(Metacarpophalangeal joint,以下第1 MTP関節)背屈角の低下である.足関節背屈角の低下は歩行時に足底における体重移動の中心を,第1趾方向へ偏位させる.第1 MTP関節背屈角の低下は,離床時に第1趾への圧負荷の増大を来す.足の変形をもたらす疾患は開張足,踵骨外反,外反母趾,脚長差などである.開張足,踵骨外反,外反母趾は第1趾の外旋をきたし,第1 MTP関節背屈角が低下する.脚長差は短脚側の足底の圧負荷の増大を来す.2)VHO法の効果についての検討 陥入爪の非観血的な治療法のひとつであるVHO法(Virtuose Human Orthonyxie.以下本法)1)2)を本症61例に施行した.男11例,女50例で,年齢は13歳から76歳(平均年齢41.1歳)である.その結果,本法施行後の経過が明らかな54例のうち38例(70.3%)で早期に疼痛が消失した.一方で6例は後に手術療法が必要となった.本法は本症に対する浸襲の少ない非観血的な治療法であり,特に軽症例に有効であることがわかった.

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