[Melanin-producing cells in neurofibromatous lesion of Recklinghausen disease (author's transl)].

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  • Recklinghausen病の神経線維腫病巣内にみられたメラニン産生細胞について
  • Recklinghausenビョウ ノ シンケイ センイシュ ビョウソウナイ

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臨床的に体幹下半分から大腿にかけて広く,一見獣皮様母斑を思わす病巣を認め,病理組織学的には表皮から真皮中層にかけて太田母斑様変化を呈し,真皮下層から皮下脂肪組織にかげては,びまん性に,血管か豊富に分布する神経線維腫性組織の増殖に加えて集塊状あるいは散在性にメラニン産生細胞の共存を証しえたRecklinghausen 病病変の特異型,すなわち Pachydermatocele と診定すべき28歳の女性例を報告した.神経線維腫内にみられる,従来真皮メラノサイトと呼称されていたメラニン産生細胞はメラニン形成の盛んな母斑細胞に共通する黄緑色ないし黄色の特異蛍光を発し,蛍光法 (Falck&Hillarp) 的にはむしろ母斑細胞そのものを思わせた.少なくとも中膜を明瞭に認めうる動脈ではその外膜に一致してモノアミン(アドレナリン)作動神経の分布を証しえるのを常とするのが,本例の神経線維腫内に分布する動脈ではモノアミン作動神経の支配を認め難かった.以上の成績からびまん性神経線維腫型 Recklinghausen 病病変 (Pachydermatocele) にあっては神経櫛起源のシュワソ細胞やメラノサイトのみならず,これに母斑細胞や自律神経系の異常も関与しているものと憶測した.

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