口唇メラノーシス(Labial Melanosis)(仮称)について
Search this article
Description
口唇に色素沈着を有する患者で,全身性疾患に起因するものを除外した106例(男35例,女71例)につき臨床像と病因との関連性を明らかにするために,臨床的,病理組織学的に検討した.本症は20歳代の女性に好発し,全体の約42%を占め,下口唇に圧倒的に多かった.形状は類円形褐色から黒色の色素斑が単発あるいは多発するタイプと,びまん性に淡褐色から黒褐色調を呈するタイプとがあった.既往歴として,長期間の口唇炎とリップクリーム等を含む化粧品ないしは外用剤使用歴をもつ患者が約80%を占め,また約半数がアトピー性皮膚炎を合併していた.病理組織検査では,各型に共通して表皮の肥厚と,基底層のメラニンの増加,真皮メラノファージの増加がみられた.以上より,この特異な後天的口唇色素沈着は,口唇への種々の慢性刺激による炎症後の色素沈着と考えられ,labial melanosisと仮称した.
Journal
-
- The Japanese Journal of Dermatology
-
The Japanese Journal of Dermatology 107 (9), 1085-, 1997
Japanese Dermatological Association
- Tweet
Details 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282680716597888
-
- NII Article ID
- 130004681052
- 10007728710
-
- NII Book ID
- AN00196602
-
- ISSN
- 13468146
- 0021499X
-
- Text Lang
- ja
-
- Data Source
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- Abstract License Flag
- Disallowed