角質増殖型足白癬に対する外用抗真菌剤の単純塗擦療法 分類法の提示を含めて

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今回我々は臨床的に足底の角質増殖を伴う,いわゆる角質増殖型足白癬を罹患年数,臨床症状,他の病型との合併の有無により,真性角質増殖型,準角質増殖型,部分角質増殖型の3型に分類することを提示した.さらに,これら角質増殖型足底白癬に対するラノコナゾール1%クリームの単純塗擦療法の臨床効果を検討した.総登録数36症例のうち,8週以上観察できた28症例を評価対象とした.臨床型の内訳は,準角質増殖型9例(32%),部分角質増殖型のうち趾間病変を合併する症例14例(50%),部分角質増殖型のうち趾間病変と小水疱の両方を認める症例5例(18%)であった.真性角質増殖型足白癬は経験しなかった.爪白癬の合併は20例(71.4%)に認められた.斜面培地による培養陽性は13例(46.4%),フットプレス法による培養陽性は17例(60.7%)で,そのうち7例はグラインダーで角質増殖部を削って初めて陽性となった.12週までに菌陰性化したものは26例(92.8%),また菌陰性化には平均7.8週を要した.臨床効果は著効10例(35.7%),有効以上20例(71.4%)であった.副作用は1例で接触皮膚炎を認めた.以上の結果より,角質増殖型足白癬の治療は外用抗真菌剤の単純塗擦療法で対処可能であると考えられた.

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