“否認”という無意識の患者心理理解における看護師の思考過程の分析
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- 林 智子
- 三重大学医学部看護学科
書誌事項
- タイトル別名
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- Nurses' Thinking Process in Understanding Patients' Unconscious Denial
- ─ 患者心理推測から看護援助へ ─
説明
看護では「患者の立場に立つ」ことは重要だと言われているが,実証的には証明されていない。一方,心理学ではそれを“視点取得”といい,他者心理を推測する思考方法である。本研究の目的は,“否認”という無意識の患者心理理解における看護師の患者心理推測方法の特徴と看護援助との関連を検討することであった。141名の看護師を研究参加者とし,「人工肛門造設予定の患者と看護師が登場する場面」を刺激とした半構造化面接法でデータを収集した。その結果,看護師は患者の発言を推測の根拠とするが,否認からの患者の発言は,看護師の知覚を歪曲した解釈へと導き,楽観的心理という妥当性の低い患者心理を導く可能性を示唆していた。また,看護師は最初に推測した患者心理に対して,新たな情報が与えられても改良や修正という調整思考をしていない可能性が示された。さらに,患者心理と看護援助の関連では,楽観的心理の推測は妥当でない看護援助を導く可能性を示唆していた。
収録刊行物
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- 日本看護研究学会雑誌
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日本看護研究学会雑誌 35 (1), 1_67-1_78, 2012
一般社団法人 日本看護研究学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680717641344
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- NII論文ID
- 130005133551
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- ISSN
- 21896100
- 21883599
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可