精神科病棟看護師の諸葛藤の解析結果が示す精神科看護の現状とその改善のための方策

  • 木村 克典
    東亜大学大学院総合学術研究科臨床心理学専攻
  • 松村 人志
    東亜大学大学院総合学術研究科臨床心理学専攻 大阪薬科大学薬物治療学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Nursing in Psychiatric Hospital Inpatient Wards: An Analysis of Nurses' Conflicts in the Present Situation and a Proposal for Improvement
  • セイシンカ ビョウトウ カンゴシ ノ ショ カットウ ノ カイセキ ケッカ ガ シメス セイシンカ カンゴ ノ ゲンジョウ ト ソノ カイゼン ノ タメ ノ ホウサク

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抄録

精神科入院病棟の看護機能を高めるための方策を追究することを目的に,われわれの先行研究をもとにアンケート調査を行い,全国の私立精神科病院に勤務する看護師406名から有効回答を得て,結果を共分散構造分析にて解析した。結果として得られたパス図は適合モデルと判断された。モデルは,看護スタッフ間の相互理解の促進が,現在さまざまな葛藤を抱えている精神科看護の機能の活性化のために重要であることを示していた(パス係数= .91,p< .001)。しかし看護機能の問題が原因となって看護スタッフ間の相互理解を阻害しているわけではなかった。看護機能の問題の解決は,他職種との関係の向上や患者の退院環境の改善にも役立つことが示された。また,看護の問題を解決することと患者を尊重することとは相互に促進的であった。さらに,現行の規則・法律が看護現場の現実と乖離していることの解決も看護機能を向上させることが示唆された。

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