母子間の漸成発達主題獲得の関連性が青年のアイデンティティ達成に及ぼす影響

書誌事項

タイトル別名
  • Mother-Child Correlation in the Process of Epigenetic Development and Its Influence on Youth Identity
  • ボシ カン ノ ゼンセイハッタツ シュダイ カクトク ノ カンレンセイ ガ セイネン ノ アイデンティティ タッセイ ニ オヨボス エイキョウ

この論文をさがす

抄録

本研究では,漸成発達における主題の母子間の関連性と母親の主題の獲得状況と青年の「アイデンティティ達成」への影響を検討するために,104組の大学生(男性21名,女性83名)と母親を対象として,相関分析,共分散構造分析を行った。この結果,特に以下の点が明らかになった。1)母親と青年の両方においても漸成発達の各主題が互いに有意な関連があること,2)「基本的信頼感」と「自律性」において母子間に有意な正の相関があること,3)母親の「基本的信頼感」及び「自律性」の獲得は青年の「アイデンティティ達成」との間に有意な正の相関があること,4)さらに青年の「基本的信頼感」及び「自律性」はこの関連において媒介変数として機能していること。本研究の結果,青年期における「アイデンティティ達成」には,母親からの直接の影響よりも,母親の影響により獲得した青年自身の初期の人格発達の主題である「基本的信頼感」および「自律性」が影響していることが明らかになった。

収録刊行物

  • 発達心理学研究

    発達心理学研究 24 (3), 337-347, 2013

    一般社団法人 日本発達心理学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ