幼児を育てている親の子育てに関する省察の3層モデルの検討

書誌事項

タイトル別名
  • A Three-Layer Model of Parental Reflection in the Rearing of Young Children
  • ヨウジ オ ソダテテ イル オヤ ノ コソダテ ニ カンスル セイサツ ノ 3ソウ モデル ノ ケントウ

この論文をさがす

説明

本研究の目的は3〜5歳児の親を対象に子育てにおける認知過程の構造を明らかにすることであった。特に本研究では,従来メタ認知や内省的注意力などと呼ばれてきたものも含めて省察という概念で統一し,その省察が3つの階層と3つの領域(親自身に関する省察(PR),子どもに関する省察(CR),他者をとおした省察(OR))から構成されるモデルを子育てにおける認知過程として仮定した。先の3つの領域別に親の省察に関する尺度を作成し,自己意識・自己内省,親子関係,母性意識,養育態度を測定する尺度とともに質問紙調査を実施し,259人の親から回答を得た。親の省察尺度について因子分析の結果,PRとORにおいてはそれぞれ2因子,CRにおいては3因子を得た。これらの因子に基づいた低次の省察が高次の省察に影響を及ぼす3層モデルを構築し,共分散構造分析によってその妥当性を確かめた。また,省察尺度の3つの下位尺度(PR,CR,OR)すべてにおいて信頼性は十分高く,親の省察尺度とその他の尺度の相関からも省察尺度の信頼性と妥当性が確認された。

収録刊行物

  • 発達心理学研究

    発達心理学研究 20 (2), 99-111, 2009

    一般社団法人 日本発達心理学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ