臨床検査項目の生理的変動

  • 河口 勝憲
    川崎医科大学附属病院中央検査部
  • 市原 清志
    山口大学大学院医学研究科保健学系学域・生体情報検査学

書誌事項

タイトル別名
  • Biological sources of variation of clinical laboratory tests

この論文をさがす

説明

臨床検査データは臨床の現場で病気の診断,治療経過のモニター,予後判定に利用される。しかし,病気以前に患者の身体的特性や採血条件で測定値が変化したり,測定技術上の問題で測定値が動いた可能性を常に念頭に置く必要がある。測定値が変化する原因を分類すると,病態変動,生理的変動,測定技術変動に分けて考えることができる。生理的変動は,さらに個人の年齢,性,環境,生活習慣,遺伝的因子などに左右される個体間変動と,同じ個体内でも検体採取前の体位や活動度,採血時間などで変化する個体内変動に分けてとらえることができる。本稿では個体間変動として年齢,性差,過食・肥満,喫煙習慣,飲酒習慣を,個体内変動として体位,運動の影響,日内リズム,喫煙の短期的影響,飲酒の短期的影響について変動機序とその影響を受けやすい検査項目を系統的に整理して記載する。検査データを正しく判定するには,これらさまざまな生理的変動を熟知しておくことが重要である。

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 64 (2), 143-154, 2015

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ