急性,亜急性経過をとる急速破壊型股関節症に関する病理組織学的検討

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タイトル別名
  • HISTOPATHOLOGICAL INVESTIGATION ON RAPIDLY DESTRUCTIVE COXARTHROPATHY WHICH FOLLOWS AN ACUTE OR SUBACUTE COURSE
  • キュウセイ,アキュウセイ ケイカ オ トル キュウソク ハカイガタ コ カンセツショウ ニ カンスル ビョウリ ソシキガクテキ ケントウ

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抄録

急速破壊型股関節症(Rapidly Destractive Coxarthropathy (以下RDC))は,1970年にPostelらが1年以内に大腿骨頭,ひいては股関節の高度な破壊を起こす疾患の総称として報告して以降,これまでに多くの検討がなされてきたが,病態について未だ不明な部分が多い.今回われわれはRDCで手術を要した症例を臨床経過によって分けその病理学的特徴を比較検討した.初診時より半年未満で手術に至った症例を急性型,半年以上経過してから手術に至った症例を亜急性型とし,病理組織学的に比較検討した.Osteonecrosisは両群でほぼ同等に認められ,Loose fibrosisおよびDetritic synovitisは亜急性型に多く認められた.RDCでは骨壊死を含む退行性病変は初期より発生し,経過とともにその周辺に線維性結合織の増生(線維化)などの組織反応を伴った骨梁修復(再生)が起きると考えられ,病相進展の早急に関連して,急性型および亜急性型の組織像が表現されると考察された.なお,逆に線維性組織反応を起こすことにより大腿骨頭の圧潰が抑制させられる可能性も考えられ,今後は慢性経過をたどる疾患との比較が必要と考えられた.

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