<i>Streptococcus infantarius</i>による感染性心内膜炎が冠動脈塞栓を引き起こした一例
書誌事項
- タイトル別名
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- A case of infective endocarditis caused by <i>Streptococcus infantarius</i> that led to coronary artery embolism
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説明
<p>Streptococcus infantariusによる感染性心内膜炎(infective endocarditis; IE)が冠動脈閉塞を引き起こした一例を経験した。症例は84歳男性。4年前に大動脈弁置換術の既往があり,胸痛を主訴に救急搬送された。緊急心臓カテーテル検査において冠動脈の左前下行枝から塞栓物が吸引されたが,来院時発熱はなくIEは疑われていなかった。塞栓物は病理組織検査にて微生物感染疑いと診断されたことから,血液培養や経食道心エコー検査などIEの精査が施行された。血液培養は翌日2セットすべてのボトルが陽性となり,また経食道心エコー検査にて大動脈弁に疣腫を認めたことから,IEによる冠動脈塞栓症と診断され,抗菌薬治療が開始された。弁置換術既往などIEのハイリスク患者は,症状や臨床検査値が軽度でもIEを疑い,早期精査施行が望ましい。IEの原因菌は16S rRNA塩基配列の解析によりS. infantariusと決定された。本菌を含むbovis groupの菌種は,IEや髄膜炎,消化管悪性腫瘍など重篤な疾患との関連性が高く,正確な菌種同定が求められる。しかし,Streptococcus属菌種は,生化学的同定法では鑑別困難な場合が多いため,同定困難な場合は専門施設へ解析が依頼できるよう,日頃から体制を整えておく必要がある。</p>
収録刊行物
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- 医学検査
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医学検査 66 (3), 277-283, 2017
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680718930048
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- NII論文ID
- 130007040334
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- ISSN
- 21885346
- 09158669
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可