緊急輸血血液準備搬送シミュレーションとその評価

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タイトル別名
  • Establishment and evaluation of emergency blood preparation and transport simulation

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説明

<p>当院では2007年以降,緊急血液準備搬送シミュレーションを計5回実施し,改善を重ねてきた。シミュレーションは赤血球製剤4単位(2014年は2単位)の搬送依頼に対し,輸血管理システムを介さず手作業で製剤ラベル・出庫伝票を作成し搬送する“非常時”対応手順および,血液型,交差適合試験(生理食塩液法)を行い,輸血管理システムを介して製剤ラベル・出庫伝票を作成し搬送する“緊急”時対応手順を実施した。改善策としてフローチャートを掲示,出庫伝票の記入必要箇所にマーキング挿入,必要物品を1回分ずつ設置,搬送依頼時の確認事項の掲示,当直技師が確認事項を記入する用紙の設置を行った。シミュレーションにおける“非常時”対応の所要時間(平均±SD)は,1回目9.6 ± 2.2分,2回目から4回目7.7~7.8 ± 0.8~1.6分,5回目5.5 ± 0.8分と短縮し,個人差も低減した。実際の当直帯の“非常時”対応は全件目標とする10分以内であり,“緊急”時対応も2回目実施以前の9.0 ± 8.9分から3回目以降は6.6 ± 3.2分と有意差は認めなかったが徐々に短縮し,個人差が低減した。シミュレーションを重ねることで,精度向上のための問題点が明らかとなり,対応した改善策は実際の日常にも役立っていた。今後もこの取り組みを継続し,緊急対応の標準化を目指したい。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 66 (3), 302-307, 2017

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

被引用文献 (1)*注記

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