嫁介護者の語りからみた社会規範意識と介護継続の条件

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タイトル別名
  • Social-Norms Consciousness and Conditions to Continue Home Care: From Interviews to Daughter-in-law
  • ヨメ カイゴシャ ノ カタリ カラ ミタ シャカイ キハン イシキ ト カイゴ ケイゾク ノ ジョウケン

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抄録

本研究の目的は,在宅で介護する3名の嫁介護者を対象とした半構成的インタビューから,彼女たちがどのようにして介護の引き受けを決め,継続ができているのかを明らかにすることである。嫁介護者が介護を引き受ける要素は,「嫁が介護すべき役割規範(男性が介護から除外される性別分業)」「子供たち(夫)が世話を受けたことへの互恵性」といった社会規範の外に,「同じ境遇なのは自分だけでない」といった気持ちが導かれた。介護を継続できる条件は,要介護者へ感じる情(愛着),感謝を示されること,やり方への反対がないこと(家庭内自己決定権),期間の見通しができることであった。これらの要素は必要十分条件でなく,不足があっても外の要素で補われていた。近年,嫁への規範意識が希薄化したとはいえ,未だ嫁介護者の介護引き受けの決定に大きく影響している。規範への異議を補う要素を知ることは,在宅介護を支援する上で重要である。

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参考文献 (25)*注記

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