子宮頸部異型化生細胞の評価における判定者間の不一致

  • 石田 亜光
    独立行政法人地域医療機能推進機構群馬中央病院臨床検査部
  • 斉藤 誠人
    独立行政法人地域医療機能推進機構群馬中央病院臨床検査部
  • 永瀬 泰平
    独立行政法人地域医療機能推進機構群馬中央病院臨床検査部
  • 冨澤 一与
    前橋赤十字病院病理部
  • 栗原 康哲
    国立大学法人群馬大学医学部附属病院病理部
  • 高草木 俊範
    群馬県済生会前橋病院病理診断科
  • 櫻井 信司
    独立行政法人地域医療機能推進機構群馬中央病院臨床検査部 独立行政法人地域医療機能推進機構群馬中央病院病理診断科

書誌事項

タイトル別名
  • Discrepancies in the diagnoses of endocervical atypical metaplastic cells

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説明

<p>ベセスダシステムは,atypical squamous cells(ASC)やatypical glandular cells(AGC)のカテゴリーを採用することで,判定困難な細胞症例における臨床的対応を明確にした。しかし,それでもASC,AGCの何れに判定すればよいのか苦慮する異型を伴う化生細胞症例が存在する。これらの細胞について,判定者間の判定のばらつきについて調査し,問題点を明らかにした。近隣5施設に所属する細胞診専門医4名,細胞検査士20名に異型化生細胞の写真18問を提示し,ベセスダシステムのカテゴリーでの判定を依頼した。その結果,異型化生細胞の評価に関する判定者間の一致率は極めて低く(κ‍値 −0.17~0.39),経験年数や細胞診専門医・細胞検査士別でも一致する傾向はみられなかった。異型を伴う化生細胞は,現在のベセスダシステムのカテゴリーを用いた評価では,判定者間でほとんど一致しないことが明らかとなった。近年,異型未熟化生細胞の一部にハイリスクHPV感染が関わることが明らかとなっており,このような細胞の判断基準,取り扱いについて新たな検討が必要と考えられた。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 66 (5), 486-492, 2017

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

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