言論の自由に関する判断の発達過程 : なぜ年少者は言論の自由を支持しないのか?

  • 長谷川 真里
    お茶の水女子大学大学院人間文化研究科人間文化研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Development of Judgments about Freedom of Speech among Children, Adolescents and College Students.
  • ゲンロン ノ ジユウ ニ カンスル ハンダン ノ ハッタツ カテイ ナゼ ネンショウシャ ワ ゲンロン ノ ジユウ オ シジ シナイ ノ カ

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説明

本研究の目的は,なぜ年少者は言論の自出をあまり支持しないのかということを検討することであった。研究1において,小学4年生,6年生,中学2年生,高校2年生,大学生(合計176人)は,言論の自由に対する法による制限の正当性を判断した。加齢と共に,推論の様式は,言論内容のみに注目するものから,言論内容と自由を比較考量する様式へ,あるいは聞き手の自由に注目する様式へと変化し,そのような推論の様式の差が自由を支持する程度と関係した。研究2(小学4年生,6年生,中学2年生,高校生,合計127人)では,加齢に伴い,言論の白山を社会的価値としてとらえ,聴衆への影響を低く見積もり,スピーチの中の行為をそれほど悪くないど考える傾向が示された。そして,このような評価が,自出を支持する程度に関係することが示唆された。そして,スピーチ内容の領域によって,それらは異なって関係していた。

収録刊行物

  • 発達心理学研究

    発達心理学研究 14 (3), 304-315, 2003

    一般社団法人 日本発達心理学会

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