帝王切開術後に発症した<i>Mycoplasma hominis</i>の腹‍腔内感染による敗血症の1例

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タイトル別名
  • A case of sepsis caused by intraabdominal infection with <i>Mycoplasma hominis</i> after Caesarean section

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説明

31歳の妊婦において,帝王切開後にMycoplasma hominisによる腹腔内感染から敗血症に進行した症例を経験した.発育菌は血液寒天培地,チョコレート寒天培地およびPEA加ブルセラHK寒天培地(ウサギ)上で3日目に微小なコロニーを形成した.コロニーをグラム染色するも菌体は確認できず,顆粒状のものが観察されるのみであった.菌株は遺伝子解析によりM. hominisと同定された.参考値として実施した各種抗菌薬に対する薬剤感受性は,マクロライド系抗菌薬で高いMIC値を示し,Clindamycin,Minocyclineは低いMIC値を示した.M. hominisは産婦人科領域における骨盤内炎症性疾患をはじめとし各疾患との関連を示唆する報告がある.β-ラクタム系抗菌薬やマクロライド系抗菌薬に反応しない症例や,遅発育で微小なコロニー形成,さらにコロニーのグラム染色で菌体が確認されない場合,M. hominisの関与を考慮する必要があると考える.

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 63 (3), 311-316, 2014

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

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