書誌事項
- タイトル別名
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- The new coma scale: the background for development and evaluation of the utility of the Emergency Coma Scale
- アタラシイ スケール : Emergency Coma Scale ノ カイハツ ノ ケイイ ト ユウヨウセイ ノ ケントウ ニ ツイテ
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抄録
目的:交通事故の傷病者の救護を含めた日本の救急医療の現場では、迅速に患者の状態を伝達する方法の一つとしてコーマスケールが使用されてきた。Japan Coma Scale(JCS)が国内で最も普及されているが、評価者間のばらつきなどの問題が指摘されており、新たなコーマスケールの開発が望まれていた。2003年に、これらの問題点を改善したEmergency Coma Scale(ECS)が開発され、普及されつつあるが、そのスケールがJCSの問題点を解決できているのか、多施設合同比較研究を行い検証を行った。方法:研究では評価者間のスコアの一致性(STEP I)と、評価スコアの正確性(STEP Ⅱ)の2つの側面から検証を行った。STEP Iでは救急外来での実際の患者の意識レベルの評価を3つのコーマスケール〔ECS、JCS、Glasgow Coma Scale(GCS)〕を用いて複数の評価者で行いそのスコアの一致率を解析した。STEP Ⅱでは意識障害のある模擬患者の動画を視聴して、参加者が3つのコーマスケールを用いて評価し、その正解率を検証した。結果:STEP Iでは評価者全体でECSにおいて評価者間一致率が高かった。STEP ⅡではECSにおいて正解率が最も高い結果を示したが、コーマスケールの使用経験のない医学部4年生で評価法の複雑なGCSで正解率が著明に低かった。考察:両研究の結果を総合すると、ECSはさまざまな職種の医療スタッフだけでなく一般人にも簡潔で、解釈しやすいスケールであり、救急診療の現場によく適合し、非常に有用な評価手段であると考える。
収録刊行物
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- 日本交通科学学会誌
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日本交通科学学会誌 16 (1), 3-8, 2017
一般社団法人 日本交通科学学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680719428352
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- NII論文ID
- 130006410224
- 40021079372
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- NII書誌ID
- AA1267543X
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- ISSN
- 24334545
- 21883874
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- NDL書誌ID
- 027919300
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可