単純性膀胱炎患者の尿培養からCO<sub>2</sub>依存性<i>Escherichia coli</i>を分離した1症例

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  • Isolation of carbon-dioxide-dependent <i>Escherichia coli</i> from urine of a patient with uncomplicated cystitis

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抄録

<p>単純性膀胱炎患者の尿培養からCO2依存性Escherichia coliを分離した症例を経験した。塗抹検査で多数の腸内細菌様形態のGram陰性桿菌と白血球によるGram陰性桿菌の貪食像が観察されたが,好気培養で菌の発育は観察されず,追加培養として5% CO2培養と嫌気培養を行ったところ,105 CFU/mLのGram陰性桿菌のコロニーが観察された。MicroScan Neg IDパネルを用いた全自動同定感受性装置MicroScan WalkAway96SI(ベックマン・コールタージャパン)による同定試験を実施したところ,菌の発育不良のため結果が得られなかったが,同時に行ったrapid ID 32 E(シスメックスビオメリュー)での同定結果はE. coli(同定確率99.9%)となった。その後,5% CO2ガス環境下で生化学的性状試験や質量分析計MALDI Biotyper,16S rRNA遺伝子配列を用いた同定検査結果も併せて,培養環境中にCO2ガスを必要とするE. coliであることが判明した。患者の治療経過は経口抗菌薬cefdinirの服用で症状が改善されたが,その後再び症状が出現し,経口抗菌薬fosfomycinの服用で軽快した。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 67 (2), 265-269, 2018

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

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