青年期における他者との関係のしかたと自己同一性

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タイトル別名
  • Self-Other Relationships and Identity in Late Adolescence.

抄録

E. H. Eriksonが提唱した, 自己同一性が他者との関わりを通じて確立されていくという理論を基にして, 青年とそのまわりの友人 (一般的他者) との関係のしかたと, 自己同一性形成との関連を探求した。(1) 10項目からなる文章完成法の質問紙を72名の大学生に実施して, (2) それに基づき, 自己一他者関係尺度を作成して, 100名の大学生に実施し, 因子分析の結果, 「違い意識」「左右されやすさ」「距離をおくこと」の3因子が得られた。 (3) さらに, 自己一他者関係尺度と中西・佐方G982) の同一性拡散感尺度, 遠藤ら (1981) の同一性測定尺度を90名の青年 (大学生及び専門学校生) に実施した。その内の63名について, 「違い意識」「左右されやすさ」「距離をおくこと」の下位尺度と自己同一性との関連を検討した結果, 「左右されやすさ」や「距離をおくこと」が強い青年ほど「私は誰?」というような同一性拡散の感覚が強く, 「違い意識」がある青年ほど「自分への確信」がしっかりしているということが明らかになり, 自己一他者関係の特徴と自己同一性の確立度との関連が見いだされた。

収録刊行物

  • 発達心理学研究

    発達心理学研究 6 (1), 41-47, 1995

    一般社団法人 日本発達心理学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680719539712
  • NII論文ID
    110003162230
  • DOI
    10.11201/jjdp.6.41
  • ISSN
    21879346
    09159029
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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