尿ケトン体改良試験紙法の特異性に関する評価

  • 松木 美貴
    順天堂大学医学部附属順天堂医院臨床検査部
  • 竹村 浩之
    順天堂大学医学部附属順天堂医院臨床検査部
  • 上野 剛
    順天堂大学医学部附属順天堂医院臨床検査部
  • 脇田 満
    順天堂大学医学部附属順天堂医院臨床検査部
  • 久野 豊
    順天堂大学医学部附属順天堂医院臨床検査部
  • 堀井 隆
    順天堂大学医学部附属順天堂医院臨床検査部
  • 田部 陽子
    順天堂大学医学部附属順天堂医院臨床検査医学講座
  • 大坂 顯通
    順天堂大学医学部附属順天堂医院臨床検査部

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of specificity of the modified urinary ketone body test strip

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説明

尿中ケトン体測定は,日常検査法としてニトロプルシドナトリウム反応を使用した試験紙が用いられているが,本反応では薬剤による偽陽性が多く報告されている.特に抗リウマチ薬であるブシラミンなどスルフヒドリル基(SH基)を有する薬剤と反応し,偽陽性を示すことが問題となる.「ウロペーパーα III‘栄研’改良ケトン体試験紙」(改良KET試験紙:栄研化学)は,SH基を含む薬剤による偽陽性反応の回避を目的として開発された尿試験紙である.本検討では,従来の「ウロペーパーα III‘栄研’ケトン体試験紙」(KET試験紙:栄研化学)との比較を行い,改良KET試験紙の臨床的有用性について検討した.改良KET試験紙とKET試験紙による尿中ケトン体検出結果の完全一致率は89.4%(261/292)で,不一致を示した検体31件(10.6%)中25件は,改良KET試験紙が陰性,KET試験紙が陽性を示した.この乖離検体の尿中ケトン体を酵素法で測定した結果,全検体が陰性であり,ブシラミン服用中の関節リウマチ患者の尿検体であった.改良KET試験紙は,従来法のKET試験紙で認められたブシラミンによる偽陽性反応を回避し,より正確なケトン体検出が可能であると考えられた.

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 63 (5), 586-589, 2014

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

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