術前の化学療法と定位放射線治療との併用療法が奏功し良好な転帰が得られたPineal parenchymal tumor of intermediate differentiation (PPTID) の1例
書誌事項
- タイトル別名
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- SUCCESSFUL TREATMENT WITH NEOADJUVANT CHEMOTHERAPY AND STEREOTACTIC RADIOTHERAPY FOR PPTID: CASE REPORT
- 症例報告 術前の化学療法と定位放射線治療との併用療法が奏功し良好な転帰が得られたPineal parenchymal tumor of intermediate differentiation (PPTID)の1例
- ショウレイ ホウコク ジュツゼン ノ カガク リョウホウ ト テイイ ホウシャセン チリョウ ト ノ ヘイヨウ リョウホウ ガ ソウコウ シ リョウコウ ナ テンキ ガ エラレタ Pineal parenchymal tumor of intermediate differentiation (PPTID)ノ 1レイ
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抄録
Pineal parenchymal tumor of intermediate differentiation (PPTID) G III に対し,腫瘍縮小による手術摘出度の向上と術後髄膜播種の予防を目的に,術前補助療法を施行し良好な治療結果を得た症例を経験したので報告する.症例は22歳男性,頭痛精査にて発見され神経内視鏡的第三脳室開窓術と生検を施行し診断.術前補助療法としてICE療法 (IFO 1700mg,CDDP38mg,Etoposide110mg×5 days) 施行後1か月で,サイバーナイフによる35Gy 5分割定位放射線治療を施行.放射線治療後1か月で腫瘍の縮小を認め,開頭腫瘍摘出術施行し肉眼的全摘出した.補助療法を追加することなく,術後5年間,局所再発,髄膜播腫を疑わせる所見を認めず経過している.PPTID G III はまれな腫瘍で5年生存率は39%とされ,診断や治療に関してはいまだ議論があり,個々の症例ごとに判断されている.解剖学的に全摘出が困難であることと,髄膜播種をきたすことが予後に深く関わる.予後不良因子として,核分裂像が多い,壊死,neurofilament陰性が,また予後良好因子としては,20歳以上,腫瘍径が25mm未満,組織学的に悪性度が低いことが報告されている.本症例では,壊死は認めなかったものの,核分裂像が多く,neurofilament陰性であったことから組織学的悪性度が高く,腫瘍径も30mmあり,予後不良であることが予想された.術前化学放射線治療後1か月で腫瘍径が20mmとなり,放射線による線維化や癒着などが出現する前に手術による全摘出が可能であった.また,病理所見では腫瘍細胞の放射線障害が顕著であり,このことが術後髄膜播種予防に関与したと思われた.
収録刊行物
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- 昭和学士会雑誌
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昭和学士会雑誌 75 (6), 683-690, 2015
昭和大学学士会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680720187008
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- NII論文ID
- 130007040438
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- NII書誌ID
- AA12635661
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- ISSN
- 2188529X
- 2187719X
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- NDL書誌ID
- 027601190
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDL
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可