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- 中島 大和
- 順天堂大学医学部内科学教室・循環器
書誌事項
- タイトル別名
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- A Clinical Study on the Influence of Alcohol Intake on Ischemic Heart Disease (IHD) and Myocardial Disease
説明
順天堂大学における378例および越ケ谷市立病院での66例の急性心筋梗塞について, アルコール摂取との関係を知るために飲酒歴を中心に臨床的検討を行った. また, 当教室で経験した心筋疾患152例および心筋疾患剖検例64例について, アルコール飲用との関係を中心に検討した. 慢性アルコール症患者107例と, アルコール性肝障害患者53例についても臨床的検討を行い, 以下の結果を得た. (1) 本邦では近年アルコール消費量, 虚血性心疾患とも増多傾向にある. (2) 急性心筋梗塞は非飲酒者に多い傾向があるが, 最近では飲酒者の占める割合が増大しつつある. (3) アルコール摂取が虚血性心疾患のnegative risk factorである可能性は不明で, 非飲酒者では少量のアルコール摂取を, 飲酒者では大量のアルコール摂取を契機に急性心筋梗塞を発症した症例が10-13%存在した. (4) 慢性アルコール症・アルコール性肝障害患者では心電図異常, 心陰影の拡大が高率に認められた. (5) 慢性アルコール症患者における心臓超音波のMモードによる左心機能の検討では, 25例中3例に駆出率の低下, 4例に左室内周平均短縮速度の低下をみたが, これらはアルコール大量摂取と関係している可能性が示唆された. (6) 心筋疾患152例中大酒家は15例 (10%) であった. (7) アルコール性心疾患剖検例は6例で, 心重量の増大, 左心室の拡張性肥大, 組織学的には心筋の肥大・変性, 心筋内線維症が主たる所見であった.
収録刊行物
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- 順天堂医学
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順天堂医学 29 (4), 519-531, 1983
順天堂医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680720503296
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- NII論文ID
- 130004710934
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- ISSN
- 21882134
- 00226769
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
- OpenAIRE
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可