眼鏡型ウェアラブル端末が視機能と眼疲労に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Influence of a Glasses-type Wearable Device on Visual Function and Eye Fatigue

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説明

目的:眼鏡型ウェアラブル端末による映像視聴前後の視機能と眼疲労への影響を検討する.<br>対象と方法:対象は眼疾患のない健常成人10名(平均29.8歳:23~42歳:男女比3:7)とした.眼鏡型ウェアラブル端末は,単眼シースルーディスプレイ(コニカミノルタ社)を使用し,以下に示す2つの実験を行った.<br>実験1として,液晶ディスプレイの背景輝度200 cd/m2に対して,映像の投影輝度200 cd/m2・400 cd/m2・800 cd/m2に設定した静止画15分間と200 cd/m2に設定した動画1時間を視聴させた.<br>実験2として,液晶ディスプレイの背景輝度400 cd/m2に対して,映像の投影輝度400 cd/m2・800 cd/m2・1,600 cd/m2に設定した静止画15分間を視聴させた.<br>視機能は,他覚的等価球面屈折値と調節微動高周波成分出現頻度,実用視力を評価し,加えて眼疲労の自覚症状をアンケートにより実施した.<br>結果:実験1・2のいずれの映像視聴前後においても統計学的に有意な変化は認められず,自覚症状も動画にて疲労度のスコアが高くなったが,有意差は認められなかった.<br>結論:本実験より,眼鏡型ウェアラブル端末による映像視聴は,視機能に影響せず,眼疲労も生じにくいことが明らかとなった.15分間の静止画と1時間の動画の範囲であるならば,安全な装置であることが示唆された.

収録刊行物

  • 神経眼科

    神経眼科 34 (4), 435-442, 2017

    日本神経眼科学会

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