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- 藤井 博昭
- 順天堂大学医学部病理学第二講座
書誌事項
- タイトル別名
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- Loss of heterozygosity (LOH) analysis of human cancer clones
説明
マイクロディセクション法は, 直接病理組織切片上より腫瘍細胞など特定の細胞集団を取り分けて, 遺伝子解析に利用する方法である. 微小細胞集団のもつ不均一な遺伝子変化や正常部の細胞集団により隠蔽されていた遺伝子変化が解析可能になるという利点がある. ヘテロ接合性消失 (loss of heterozygosity;LOH) は癌抑制遺伝子の機能消失と密接に関係しており, 腫瘍に特徴的なLOHが知られている. また, 腫瘍発生・進展に伴い, LOHの蓄積・進展が認められる. 本稿では, 筆者の自検例を中心に, マイクロディセクションの方法・利点・応用・LOHの原理・LOHの検出解析方法を概説する. それらの方法を駆使することにより, ヒト腫瘍クローンの発生進展に伴っての詳細な分子病理学的解析が可能となる. 乳癌の非浸潤性乳管内癌から浸潤癌に至る過程, また複雑な組織型を示す腫瘍の解析例として, 混合型肝癌・女性生殖器癌肉腫, さらに特殊な発育進展様式を示す表面型大腸癌の遺伝子解析の結果を紹介する.
収録刊行物
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- 順天堂医学
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順天堂医学 46 (4), 394-407, 2001
順天堂医学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680722456320
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- NII論文ID
- 130004711665
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- ISSN
- 21882134
- 00226769
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
- OpenAIRE
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可