書誌事項
- タイトル別名
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- CCR4 and CCR5 as amarker of Th2 and Th1 Cells in human peripheral blood lymphocytes
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説明
ケモカインレセプターは, 生体内ではリンパ球やその他の免疫担当細胞の二次リンパ組織あるいは非リンパ組織への遊走を調節する上で重要な役割を果たしていると考えられている. 中でもCCR4・CCR5はTリンパ球の細胞表面に発現し, CCR4はInterleukine-4 (IL-4) やIL-13を産生するType 2 helper T lymphocyte (Th2) に, CCR5はInterferon-γ (IFN-γ) を産生するType 1 helper T lymphocyte (Th1) に発現していると言われ, アレルギーや炎症の調節に重要な役割を果たしていると考えられている. 健康成人におけるリンパ球表面のCCR4・CCR5を解析するとともに, それぞれを発現しているリンパ球の細胞内サイトカインを解析することにより単細胞レベルでCCR4・CCR5の発現とTh1・Th2との相関を検討した. CCR4・CCR5はTリンパ球の中でも, とくにCD45RO陽性のメモリー細胞にのみ発現していた. また, CD4陽性T細胞では, CCR4・CCR5をそれぞれ独立して発現しているが, CD8陽性T細胞ではCCR5のみ発現し, CCR4の発現は見られなかった. また, 健康成人約30名におけるCCR4・CCR5の発現を調べたところ, CD4陽性メモリーT細胞ではCCR4陽性細胞が約10-20%, CCR5陽性細胞が約15-25%存在し, CD8陽性メモリーT細胞ではCCR5陽性細胞が50-70%存在していた. CD4陽性メモリーT細胞に注目し, CCR4陽性細胞・CCR5陽性細胞それぞれをフローサイトメーターにより分取し, 細胞内サイトカインの解析を行った. その結果, CCR4陽性細胞ではIL-4が約15%に認められ, IFN-γは約2%程度しか認められなかった. これに対し, CCR5陽性細胞ではIL-4は2%程度とほとんど認められなかったのに対し, IFN-γは約60%の細胞に認められた. 以上の結果より, 末梢血T細胞表面のCCR4・CCR5の発現は細胞内のサイトカインとの相関を示し, Th1・Th2の細胞表面マーカーとして有用であると考えられた.
収録刊行物
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- 順天堂医学
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順天堂医学 46 (1), 71-77, 2000
順天堂医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680722474496
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- NII論文ID
- 130004711647
- 10013003674
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- NII書誌ID
- AN00113194
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- COI
- 1:CAS:528:DC%2BD3cXksFOku74%3D
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- ISSN
- 21882134
- 00226769
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
- OpenAIRE
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可