ピオグリタゾンからシタグリプチンへの切り替えによる臨床効果に対する影響

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タイトル別名
  • Affect of switching from Sitagliptin to Pioglitazone on clinical effect
  • ピオグリタゾン カラ シタグリプチン エ ノ キリカエ ニ ヨル リンショウ コウカ ニ タイスル エイキョウ

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抄録

ピオグリタゾンに対する膀胱がん発症リスクを検討する臨床試験の結果を受け,ピオグリタゾンを中止,もしくは作用機序の異なるDPP-4阻害薬であるシタグリプチンへの変更が散見された.そこで,ピオグリタゾンが継続となった患者(以下,継続群)とピオグリタゾンを中止し他の経口血糖降下薬を新たに投与されなかった患者(以下,変更薬なし群),ピオグリタゾンをシタグリプチンへ変更した患者(以下,シタグリプチン群)におけるHbA1c, AST, ALT, HDL-Cへの影響をレトロスペクティブに分析した.変更薬なし群ではHbA1c, AST, ALTが上昇,HDL-Cが低下を示した.シタグリプチン群で男性およびBMI25未満の症例で血糖降下作用が効果的に表れていることが推測でき,女性およびBMI25以上の症例ではHbA1cが上昇する傾向にあった.AST, ALTが上昇,HDL-Cが低下を示したことから,膵外作用の変動に注目する必要性が考えられた.HbA1cに対する影響はシタグリプチンへ変更で有意に低く,BMI高値が有意に高いことが示唆された.ピオグリタゾンからシタグリプチンへ変更を行うことでHbA1cのみならず膵外作用への影響について留意する必要性があり,特にピオグリタゾンの感受性が高い女性やBMI高値の症例において,留意する必要性が考えられる.

収録刊行物

  • くすりと糖尿病

    くすりと糖尿病 3 (1), 55-62, 2014

    一般社団法人 日本くすりと糖尿病学会

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