抗インフルエンザ薬の現状と問題点

  • 佐々木 信一
    順天堂大学医学部附属浦安病院 呼吸器内科
  • 難波 由喜子
    順天堂大学医学部附属浦安病院 呼吸器内科
  • 栗山 祥子
    順天堂大学医学部附属浦安病院 呼吸器内科
  • 木村 透
    順天堂大学医学部附属浦安病院 呼吸器内科
  • 長島 修
    順天堂大学医学部附属浦安病院 呼吸器内科
  • 吉岡 泰子
    順天堂大学医学部附属浦安病院 呼吸器内科
  • 富永 滋
    順天堂大学医学部附属浦安病院 呼吸器内科

書誌事項

タイトル別名
  • コウインフルエンザヤク ノ ゲンジョウ ト モンダイテン

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説明

現在日本で使用可能な抗インフルエンザ薬にはM2阻害剤 (アマンタジン), NA阻害剤 (オセルタミビル, ザナミビル) の2種類があり, 前者はA型インフルエンザに, 後者はAおよびB型インフルエンザに有効性が認められている. しかし, 近年その耐性化が問題となっており, 季節性インフルエンザのみならず, 高病原性H5N1インフルエンザウイルスや, 今年勃発した新型インフルエンザウイルスH1N1でもオセルタミビル耐性ウイルスが検出されてきている. 幸い, 今のところザナミビル耐性は認められていないが, 耐性ウイルス対策として新規抗インフルエンザ薬が開発されてきており, 臨床応用が始まっている薬剤も認められる. 以前のパンデミックの経験から, 秋以降に新型インフルエンザHIN1のかなり大きな第2波が日本を襲うことが予想されており, 新しい薬剤の早急な開発が待たれる. また同時に, 公衆衛生学的対策, 院内感染対策, ワクチンや抗インフルエンザ薬の適正使用といった総合的な戦略が必要不可欠と考えられる. 人類がこのインフルエンザにどう立ち向かうのか. 今, その進化が試されている.

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参考文献 (30)*注記

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